アートでのんびり、キラキラ子育てアートでのんびり、キラキラ子育て
             
■アトリエの沿革
2001年 仙台市青葉区一番町にてアトリエをはじめる 月1回 自由表現の日
同年秋 青葉アートスクールへ移る 月2回自由に表現できる日と創作の日
2002年 石巻ナリサワ本店2階にてアトリエを開設 月2回自由に表現できる日と創作の日
心理カウンセラー、造形の専門家などが参加
月2回ずつ仙台と石巻でアトリエ活動を続ける
2004年 NPO子どもの絵と心の研究所を立ち上げる
2005年 福祉協議会助成事業に認定され、子育て支援事業をスタート
仙台・・・第1土曜日(自由に表現)、第3土曜日(創作の日)
石巻・・・第2土曜日(自由に表現)、第4土曜日(創作の日
4月 親と子のアートワークショップ「銀粘土でアクセサリー作り」
5月 カラー粘土で色々
6月 にじみ絵
お母さんのための子どもの絵を学ぶ講座 色彩、画材、モチーフ
心理学講座 子どもの心の叫び
8月 長い巻物に夏の思い出を閉じこめて
9月 アフリカンドラムの演奏を聞きながら・・・楽器を作ろうそして一緒に演奏しよう
10月 アートフェスティバル「私だけのお菓子の家作り」
親御さん向けワークショップ「子どもの本当の気持ちを聴けていますか?」
11月 木のブロックいろいろ
12月 紙に描く「こうなったらいいな〜」夢のクリスマスツリー
1月 裂いて、織る、リサイクルアート
来年のテーマ 子どもの絵と親と子のコミュニケーション、そして絵本を取り入れていくこと!

 下記のような理由から、私たちは、子どもたちが抱えている色んな気持ち、子どもたちの心を思いっきり開放してあげる場、そして子どもたちの気持ちを受け止めてあげられる場所が必要だと考え、アートをとおした心育ての場、子どものアトリエを作りました。デザイナー、造形作家、カウンセラー、保母といったメンバーが集まって作った、アートと心理学のメソッドを織り込んだ新しいタイプのアトリエを作りました。


 

●子どもたちが自由に描いたり、作ったりできる空間を作ったのは・・・

近頃では、再び学力低下が大きくうたわれ、とかく子どもたちの内面の成長へ目を向けられる事が少なくなっていると思います。大人の教育に関する考え方が急に変わっても、当の子どもたちは変わっていません。子どもたちは、相変わらず忙しい毎日の中で、大人の作ったストレス社会の中で、身も心も疲弊しています。
低年齢化する少年犯罪、いじめ、不登校、突然切れる子どもたちの増加。ゲーム依存の子どもたちのバーチャルから抜け出せない危ない状態。
「自分の子育ては本当に大丈夫なのかしら?」「子どもの心が見えない」、「子どもをどう理解したらよいかわからない」…など、多くのお母さん・お父さんは悩んでいます。そしてこのような社会の中で、どういう方向で子どもを導いていったらいいのかなと迷っています。

そこで私たちは、子どもたちが抱えている色んな気持ち、子どもたちの心を思いっきり解放してあげる場が必要だと考え、アートを通した心育ての場、子どもが自由に自分の内面を表現できる場所を作りたいと考えこのような場を作りました。
デザイナー、造形作家、カウンセラーといったメンバーが集まって、アートと心理学のメソッドを織り込んだ、子どもたちが自由に創作できる場所を作りました。

ここは子どもたちが最も必要としている自由に自分を表現できる場です。
絵を上手にするための一般の画塾や学校の図画工作の時間とは目的が違います。
子どもたちのストレス、心の悩み、本当の気持ちを、色や形をとおして自由に表現できる場所です。
子どもたちにとっては、調子が良いときの表現も、悪いときの表現も、丸ごと受け入れてもらえる場所。自分が自分でOKな場所。自分が自分らしくあることを認めてもらえる場所を目的としています。いわゆる心の居場所です。

そして子どもの絵から伝わってくる心のメッセージをお母さんに伝え、子育てのヒントにしてもらい、よりよい親子関係を築くサポートをしているところです。
アートをとおして子育てを楽しむことは、他の習い事と違い、他の子と比べる必要もなく、親子ともに、とてもリラックスできるものです。
なので、子育てまっただ中のお母さんたちが肩の力を抜いて、ゆっくりと自分の子育てを振り返ってみることができる場所作りを目的としています。

アートを通した、親と子のメンタルケアの場、そして多くの子どもたちの心の居場所としての目的をもってこの活動をはじめました。

●子どものメンタルケアと造形活動

アートとは、自分の内面と向き合う作業です。アートはこれまで、様々心理療法に用いられてきました。色や素材の持つ心理的効果は、子どもたちの心を癒す、元気にする、回復させる力があります。

例えば、いじめにあっていた小学校4年生の女の子は、半年ほどの間、ずっと寂しげな絵を描き続けていました。目だけが大きく強調されて、まるで何かにおびえているような絵でした。親御さんのサポートを受けながら、少しずつ、少しずつ、いじめという問題を、この子は乗りこえていきました。気持ちを受け止めてもらえる場所がある。自分の気持ちが吐き出せる場が、学校以外にあったことが、この子の切ない気持ちを和らげる事に、少しは貢献できたのではないかと思います。
子どものでたらめな落書き、自由なお絵かき、工作に、大人は何か創造的なものを求めがちなのですが、子どもの本当の望んでいるものは「息抜き」なのだと思います。

大人に与えられた課題をこなす幼稚園や学校の図画工作の時間ではなく、「息抜き」としてのアートの時間(色に戯れたり、ダンボールを切り刻んだり、攻撃的な作品を作ったり)が、現代の忙しい子どもたちには必要なのだと思います。
一人の世界に沈潜し、内面のストレスを吐き出し、回復させ、人格の統合を行う事が、子どもたちの内面の成長を促す、最も必要な時間だと思います。
子どもたちの成長に必要なのは、知性だけではないと思います。感性の基盤があってこそ、その優秀な知性は、社会性を持つのだと考えます。感性、それは身長や体重、文字が読めるようになったなど、目に見えるものではありませんが、人格を形成する上で、基礎となる大切な事だと思います。


●大人の過干渉からの解放の場としての自由なアトリエ

また少子化の影響で、子どもたちが大人の干渉をかなり強く受けているという事が、絵をとおしてもみられます。親に干渉されすぎて、手も足も出なくなっている子。一つ一つ指示されなくては、動けない子。無気力、無感動、無表情。子どもたちの描く絵が、多くの問題を示すようになっています。
少子化の中で子どもたちは常に大人の監視下にあります。何もかも指示されなくては動けない、指示待ち症候群がとても増えているのが、気になります。幼児期は、やりたい事だらけのはず。それなのに、いつも大人の指示の中で育ててしまったら、意欲、やる気、好奇心はどこに行ってしまうのだろうかと危惧します。

一方で、子どもたちが自由に絵を描いたり、工作をしたりすることは、大人に指示されるのではない、自分で考えて自分で最後までやりぬく力を育てます。
そして想像性を育み、頭の中であれこれイメージする力を育てます。現代の子どもたちに一番欠けているイマジネーション力です。
頭の中でイメージが固まったら、自分がイメージした事を、手を使って、試行錯誤を繰り返しながら創造します。これは人に言われたのではなく、あくまでも自発的な作業なので、子どもたちはたくさん失敗するけど、あきらめないで最後までやりとげます。自分が考えたことなので、子どもたちは何時間でも集中して取り組みます。

このような自由なアートの時間は、子どもたちの発想力、造形力、集中力、達成力、工夫する力などなど、たくさんの力を育てます。3歳の子どもが一時間半集中できるのが、この自由創作の特徴です。自分のやりたい事に、思う存分熱中する時間は、今の忙しない時代にあって、幼い子どもたちにとって、とても重要なのだと思います。


●ゲーム、テレビ依存から抜け出すためのアナログな時間としてのアート

また、近頃では近所に子どもがいなかったり、安全ではなかったりするせいか、子どもたちのゲーム依存の傾向がみられ、少しでも自分の思うとおりに描けなかったり、作れなかったりすると、ひっくり返ったり、イライラする子もいます。とにかく、このイライラしている子が多いのです。キレやすい、突然イライラしてきて、むしゃくしゃとする子。

子どもとのコミュニケーションが取れなくて、親御さんたちは悩んでいます。
また、テレビ漬け、ビデオ漬けで、落書きや、お絵かきをする時期にしないで通り過ぎ、ある一定の年齢になって、「絵が描けない」などといって困っている子もいます。絵がアニメを抜けられないのです。想像性、創造力が未発達。自分の頭の中で、想いを描く事が苦手な子どもたちが増えています。イマジネーション力が極めて貧困。
幼少期の豊富な落書き体験は、外から与えられた「学習」ではなく、成長と発達(言葉、心、腕の筋肉、視覚の発達)にとって必要な子どもの自発的な「仕事」なのです。
この自発的な「お絵かき、工作」という仕事を通し、想像性、創造性を発達させているのが、幼少期なのです。それなのに幼少期に、ビデオやテレビを通して、文字や数字などを詰め込まれる事で、子どもたちは自分の頭の中で何かを空想してみる、そして実際にそれをやってみて、失敗するという体験を取り上げられている子が、とても増えているように思います。それによって子どもたちはイマジネーション力を育てる時期に、その能力を育てることができずに、自分の考えを頭の中で「こういうことをしたらどうなるのかな」などイメージしてみる事ができない、きわめて幼稚な発想をする小学生が増えているように思います。


実際に、子どもたちは私たちの自由創作の場に何度か来るうちに、家でもお絵かきや工作を楽しむようになっています。その分ゲームの時間が減ったと、親御さんは喜んでいました。そしてゲームをする時間が減ると同時に、子どものイライラが減ってきたとも言っていました。そして自分で試行錯誤をくり返し、手を使って何度もやり直す、根気強さや、最後まであきらめない力がついているようです。

アンチ・ビデオ、テレビゲームでもある、「お絵かき、絵本、コミュニケーション」を取り入れ、子どもたちが自由に、伸び伸びと、のんびりと時間を過ごせる、心の居場所を作りたいと考えアトリエを作りました。

コミュニケーションとしての絵や工作が伝えてくれる子育てのヒント

そして親御さんが子どもの絵や工作から、子どもの様子を受け取り、コミュニケーションを持つ事で、少しずつ会話がもてるようになったなどという報告を受けています。

子どもにとってお絵かきは、言葉以前のコミュニケーションです。子どもは言葉を発しながらお絵かきをします。次々に想像性を膨らませながら、絵の中で様々な話を展開させています。そして徐々に、言葉を覚えていくうちに、お絵かきをぴたりとやめてしまいます。言葉が発達する幼少期から児童期にある子どもたちにとって、自由に落書きさせる時間は、言葉、コミュニケーションの発達にもとても重要なものであるのです。
そして子どもたちは、自由に絵の中で、空想の中で、心の中にある不安や葛藤を表現し、それを解決しているのだと考えます。
そしてその子どもの気持ちに共感し、サポートしていく事ができると、親と子の関係は大きく軌道修正されていきます。親が中心の一方的な子育てから、双方向的なコミュニケーション中心の親子関係へと好転していきます。思春期になって、子どもの気持ちがわからない、子どもが何も話してくれないという嘆きも減ってきます。幼児期のコミュニケーションこそが、親子のコミュニケーションの基礎になるのだと痛感しています。

●子どもの絵を通したお母さんのメンタルケア

さらに子どもの絵を親御さんと一緒に見ながら、描いていたときの様子、話していた事、色や形に表れていることなどを話す事で、親御さんは常日頃から心に引っかかっていたことをまるでせきが切れたかのように話し出します。
家庭での家族のトラブル、困っている事など、たくさん抱えていたストレスを親御さん自身が吐き出すようです。そのことによって、自分自身の気持ちが楽になり、子どもにやさしくなるようです。
子どもは絵を描いてストレスを発散し、親御さんは、子どもの絵をきっかけにストレス発散し、自分で自分の問題を乗り越えていく。
まさに親と子のメンタルケアの場であると思います。

6.お母さんのための子どもの絵の読み解き講座
今年度は、お母さんのための子どもの絵の読み解き講座を6回に渡り開催してきました。勉強が進むうちに、お母さんたちは、子どもの絵のストレス表現、問題を抱えている様子を絵から感じられるようになりました。そしてその中で、「ではそのような表現をみたときに、どのように接したらよいのですか?」という質問が増えてきました。

 そこで親と子のコミュニケーションをテーマにワークショップをしている先生にお願いして、子どもが問題を抱えたとき親はどのように、言葉をとおしてコミュニケーションをしたら良いかということを学びました。
 まだまだ、子どもの絵について、その発達について、お話したい事、ともに分かち合いたい事がたくさんあります。
そして親と子のコミュニケーションという問題にも取り組んで行きたいと思います。


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